いじめっ子には愛の鉄槌を
あたしは力を振り絞って、淳太君の手を振り払う。
そして淳太君を睨みながら言う。
「あたし、彼氏出来た」
淳太君は怯むと思っていた。
だけど彼は表情一つ変えず、あたしを見ている。
そして興味もなさそうに吐き捨てた。
「そうか、良かったな」
そうか、良かったな、だと!?
まるでひとごとのようなその言葉にイラついてしまう。
だけど、それならあたしは何を期待していたのだろうか。
淳太君がショックを受けること?
それとも、怒ること?