いじめっ子には愛の鉄槌を






「はぁ?俺がダサい?

ダサいのはのび華だろ」



「でも、今は淳太君のほうがダサい」



「ふざけんな、のび華のくせに」




淳太君はなぜか顔を赤くしていつもの悪役さながらの台詞を吐き出す。

いつもならそんな淳太君にイラつくのだが……

「ダサいか?」なんて言って鏡を見ている淳太君がおかしくて、あたしは笑っていた。

そんなあたしを見て、淳太君もおかしそうに笑う。

いつもの意地悪な笑いではなくて、無邪気な少年のような笑いだった。

その瞳が細くなって頰が緩んで白い歯が覗いて。

その笑いにイチコロだった。

文字通りイチコロだった。

まるで撃たれたように胸が熱く、身体中にドクドクと大量の血液を送り始める。

そして、きゅーっと甘い音を立てる。

淳太君は反則だ、こうやってどんどんあたしを深みに誘っていくのだから。



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