いじめっ子には愛の鉄槌を
淳太君の狙い通り、あたしは見事に恋を妨害されている。
明日は晴哉さんとのデートだというのに、淳太君のことが頭から離れない。
淳太君が大嫌いなのに、大好きだ。
「桃華、やっと笑ってくれたな」
それはあたしの台詞だっていうのに。
そして、こんな時だけ桃華なんて呼ばないでほしい。
きっと、意地悪な淳太君はあたしの気持ちを分かってやっているのだ。
その証拠に、
「キスしたい」
ストレートな淳太君の言葉に、淳太君の甘くて刺激的なキスを思い出して頭から足の先まで真っ赤になる。
そんなあたしを、淳太君は満足そうに眺める。
ほら、余裕があるのは淳太君ばかりだ。