いじめっ子には愛の鉄槌を
家に帰っても、淳太君はいないと思っていた。
きっと、綺麗なお姉さんの家にいるのだろう。
そして、あの日のような激しい愛の行為をしているのだろう。
そんなことを考えると、胸がきゅーっと痛くなる。
あたしなんて所詮下僕で、キスするだけの関係。
あたしが強請ったら抱いてくれるかもしれない。
だけど、そこには気持ちがないのだ。
その事実に愕然とする。
暗い顔で玄関の扉を開けると……
そこには白色のスニーカーがきちんと置かれてあった。
淳太君、帰っていたんだ。
淳太君がいると思うだけで胸が高鳴るあたしは、もう淳太君から抜け出すことが出来ないのだろう。