いじめっ子には愛の鉄槌を
それから飛ぶように時間は過ぎていった。
淳太君のことで泣きたいあたしだが、最後くらい笑顔で過ごそうと必死で頑張った。
きっと、淳太君は泣くような重い女なんて嫌いだ。
今までありがとうと、笑顔で送り出そうと決めていた。
「おはよう、淳太君」
「おー……のび華」
眠い目を擦って部屋から出てくる淳太君。
その髪は逆立っていて、パジャマ代わりのTシャツにジャージ姿だ。
こんな隙だらけの淳太君も愛しくて、抱きつきたい衝動に駆られる。
だけど所詮、あたしは下僕。
「淳太君、ご飯が出来ましたよ」
「ご苦労」
そう言ってあたしの作った朝食を美味しそうに食べる淳太君に見惚れていた。