いじめっ子には愛の鉄槌を
残念ながら淳太君はご在宅のようだ。
茶色い革靴と、その隣に白いヒールの高いパンプスが置かれていた。
リア充パンプスだ。
そのパンプスを見て、女性が来ていることは一目瞭然だ。
淳太君の彼女かな?
あたし、もう少し外に出ていたほうがいいかな?
そう気遣うあたしの耳に、女性の甘い声が飛び込んでくる。
まるで悲鳴ようで、それでいて嬉しそうな艶っぽい声。
初めて聞くその声が何を意味しているのかは、その経験がないあたしでもすぐに分かった。
逃げなきゃ。
そう思うのに、突然の出来事に棒立ちになってしまう。
その間にも女性の声は漏れ続け、ギシギシ物音さえして、ひたすら心臓がバクバクする。