いじめっ子には愛の鉄槌を
それからは想像通りだった。
淳太君の部屋から出て来た素敵女性はあたしを見て涙を浮かべた。
そして、淳太君に豪快な平手打ちをかまして飛び出していった。
修羅場を作ったのはあたしなのに、彼女が淳太君を平手打ちした瞬間、心の中でガッツポーズをしていた。
長年のあたしの恨みを女性が代わりに晴らしてくれたような気がして。
そんなのんきなあたしを、淳太君がただで許してくれるはずもない。
「のび華……てめぇ……」
低く唸るその声で、はっと我に返った。
あたしは馬鹿だ。
淳太君を見ながら、嬉しそうにほくそ笑んでいたのかもしれない。
口元をぎゅっと引き締める。
そして、これからあたしに降りかかるであろう天罰に、身を縮めた。