いじめっ子には愛の鉄槌を






下を向いて震えるあたしに、わざとらしく淳太君は言う。




「あー、腹減った」





これってあたしにご飯を作れと言っているのだろうか。

最後の抵抗として、聞こえないふりをしてやる。



だけど……





「腹減った腹減った!

あー、さっきのび華のせいで女に殴られて、マジで腹減った」




わざとらしく大声を出す淳太君。

本当に意地悪な男だ。

そんなことを言われると無視なんて出来るはずがなくて、仕方なく立ち上がってキッチンへ向かう。

これじゃあ淳太君の思う壺だ。

下僕としてがんじがらめにされて、あたしは一生こき使われるのか。


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