いじめっ子には愛の鉄槌を




「実は僕もバスケ部だったんだ。

話が合いそうだね」



そう言う極上男子にうっとりする。

そんな極上男子、確か名前は……晴哉、そんな名前だった気がする。

その名前をどこかで聞いたことがある気がしたが、アルコールのせいで頭がぼんやりして何も考えられなくなって。

だからあたしの思い過ごしだと自己完結に至った。





「藤井さんはどうしてバスケ部に入ったの?」



「運動が苦手だったから、敢えて運動部に入ったんです。

実はお父さんも学生時代、バスケ部だったみたいで……」



「そうなんだ。

でも、キャプテンでしょ?

キャプテンなんて、運動が苦手だったら出来ないよ」



「あたしもやりたくなかったんですが……」



「藤井さん、意外と普通の女の子で可愛らしいよね」





その言葉が嬉しかった。

可愛らしいなんて言葉、初めて言われた。


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