長男・長女の恋模様―真面目×真面目=?!?
「梨乃?途中からちょっと元気なかったし、今もなんか落ち込んでる?僕、何かしたかな?」
そろそろ家に着く、そんな頃に問われて私もここは言っとくべきかと口を開くことにした。
「悠斗さん。ここ数日私、ぜんぜんお財布を出してません!私も社会人なんです!その辺甘えっぱなしっていうのもおかしいと思うんです!」
勢い込んで言った私の言葉に、悠斗さんはちょっとびっくりした顔をしている。
「そうか。僕としては梨乃に色々買うのは全く苦ではないし、楽しいんだけれど。それは梨乃には違うんだね」
車を車庫に入れて、エンジンを切った後悠斗さんは私を見つめて行った。
「梨乃はどうするのが一番いいの?」
その問いに私は素直に自分の考えという。
「誕生日や、記念日、クリスマスとかのイベント以外の時にはそこまで買ったりしてもらわなくて良いの。歳も離れてても、私も大人だからね」
ニコっと伝えると、悠斗さんはふうと一息ついて答えた。
「うん、分かった。僕、やっと付き合えたから少し浮かれてたんだよね。気をつけるよ」
苦笑気味の悠斗さんに、キュンとしてしまう。
付き合えたことに浮かれるなんて、彼がそう思ってくれることに嬉しくて胸が苦しいくらい。
「うん。今日の洋服、気になってたから嬉しかった。ありがとう」
こうして、感謝を告げたあと私達は車を降りて部屋へと戻った。
その後は買ってきた食材でふたりでキッチンに立って料理をした。
悠斗さんは本人が言っていたように、手際よく料理をしていく。