ミラートリック~キミの優しすぎる愛に溺れる~
「香坂さん。素敵な娘をありがとうございました」


そして今度は、お母さんが香坂さんに深々と頭を下げた。


「いえいえ。蓮見さん、頭を上げてください」


香坂さんは、慌てたように促す。


「お母さん。香坂さんのこと、外まで送ってくるね」

「そうね。お願い、玲」


そして、香坂さんと外へと出る。


「気をつけて」

「ありがとう」


歩き出す香坂さんの背中が、段々小さくなっていく。

気付けば、そんな香坂さんの背中を追っていた。


「香坂さん!」

「どうしたの?」


驚いたように、香坂さんは目を見開く。


「彩華に、伝えて貰えますか?大丈夫だからって。彩華が大切に思ってるものは、必ずあたしが未来にも繋げるから」

「わかった。ちゃんと伝える」

「お願いします」


彩華の未来が、少しでも希望の持てる未来になりますように···

< 163 / 213 >

この作品をシェア

pagetop