BAD & BAD【Ⅰ】




救ってほしかったら、ちゃんとSOSを発信しなよ。


どうせ何も話せないなら、思わせぶりなことしないでよ。




たかやんが、弱音を吐き出せる覚悟を決めて、悩みを秘める癖を卒業できたら、「もーういいよー」って私を呼んでよ。


そしたら、聞いてあげる。




「たかやんには、話したいことは特にないんでしょ?」



気になるけど、土足で踏み込んだりはしない。


上辺だけの繋がりも、友達ごっこもごめんだ。



私達はあくまで“悪”なお仲間。



独りでも前進できるようにならなくちゃ、不良なんてやってられない。

そうでしょう?




「じゃ、聞いてくれてありがとね」



私はたかやんに素っ気なく背を向けて、広間を去ろうとしたら、



「ま、待てよ」


「なに?」



たかやんが、震えた声で引き止めた。



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