BAD & BAD【Ⅰ】
「小泉パパ、褒めてよ。私、朝から学校にいるよ」
「それが当たり前なんだよ!つか、授業中に寝るな!!」
「小泉パパにとっての当たり前と、私にとっての当たり前は違うの。まったくの別物なんだよ」
「元気のいい生徒が学校に来るのは、共通の当たり前なんだよ。それっぽいこと言って逃れようとすんな」
チッ。ダメだったか。
「授業に集中しろ」
「はいはい」
「返事は1回!」
「はーい!」
「ったく、お前ってやつは……」
小泉パパは息をこぼしながら、授業を再開した。
先日行われた定期テストの結果が、赤点ギリギリだったこともあり、小泉パパはやややつれ気味。
ごめんね、小泉パパ。
努力はしたよ?報われなかったけど。
小泉パパの教え方が悪いんじゃない。あれが私の全力なだけ。
でも、私の代わりにたかやんが90点取ってくれたから、それで許して!