BAD & BAD【Ⅰ】




私の助言に、不良達は素直に「わかった!」と返事をした。


案外いい奴らでよかった。




フォローを終えて、路地を抜ける。



「あ」

「……お前」



その先で、桃太郎にばったり出くわしてしまった。


昨日の今日で、邂逅すんの早くないか?

超気まずい。



「何、してたんだよ」


「え?」



沈黙になるかと思いきや、桃太郎が私に睨みを利かせてきた。



「何もしてないけど?」


「嘘つけ!路地の奥で、知らねぇ不良と話してたじゃねぇか!」



あー、それね。

会話は聞こえてなかったようだけど、目撃してたんだ。



「別になんでもいいでしょ」


「なっ……!」



教えられるわけがない。


教えたら、せっかくの悪役が無駄になっちゃう。



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