BAD & BAD【Ⅰ】
それなら、普通に人生ゲームやればいいじゃん。
神雷の元となった族が創立された頃も今も、精神年齢が小学生レベルの奴らしかいなかったんだなあ。
これも伝統のひとつなのかな。
「気になるか?気になるんだな!」
桃太郎の濃いグレーの瞳が、キラキラきらめく。
私が答える前に、断定ですか!?
「ちょっと待ってろ。今持ってきてやる」
いや、いいよ。持ってこなくて。
気になってないし。
……とは、言えなかった。
行動を起こす前に、私の気持ちをよく聞け。そんで、私の気持ちを聞かずに勝手に都合よく解釈すんのやめろ。
桃太郎さ、絶対通知表に「落ち着きのない生徒」って書かれてたでしょ!?
もう少し他人の話を、静かに聞く努力をしたほうがいい。
桃太郎は、遊戯室にある棚の中から神雷ゲームを取り出し、私達のところに置いた。
薄いダンボールの箱を開けると、汚く折りたたまれた黄ばんだ紙が入っていた。