好きになった人は吸血鬼でした。ーさくらの血契1ー【完】
「へ? 大丈夫だよ。お仕事あるんでしょ?」
「お前な……この前あったこと忘れたのか? 看護師の人に聞いたけど、いつもより遅い時間、なってるんだろ?」
「う……それはそうだけど……」
「仕事のことなら気にするな。ちゃんと休憩時間だって抜けて来たから」
「………」
真紅がまだ反論したそうにいると、黎はさっさか歩き出してしまった。
真紅の家は知られているのだ。
「真紅? 早く来い」
「~~~」
振り向いて呼ばれ、真紅は唇を引き結んだ。