好きになった人は吸血鬼でした。ーさくらの血契1ー【完】
「あ、いやなんでも。……さっき海雨も言ってたけど、桜城くんとはあんまり似てないね」
「ん? ああ。親違うしな」
「片親?」
「いや。両親ともに。兄弟なのは戸籍上だけ。架と血の繋がりはない」
「そうなんだ……ごめん、そこまで複雑なご家庭とは思わなくて……」
「複雑でもないけど……架には言わないでくれるか? あいつは知らないから」
「? 黎は知ってるのに?」
「うん。俺からも言う気はないから」
そう言われてしまえば、それ以上は踏み込めなかった。