好きになった人は吸血鬼でした。ーさくらの血契1ー【完】
「俺の父親は桜城当主の誠(まこと)さんで、母親は美愛さん。本名はミーア。
んで、架の両親は、母親は誠さんの妻の弥生(やよい)さんで、父親は弥生さんの彼氏」
「………」
ひ、昼ドラ……? ドロドロしている……。
黎は続ける。
「誠さんと弥生さんは家が決めた許嫁だったんだけど、お互い恋愛感情はなかったみたいだ。
誠さんは留学先で出逢った美愛さんと恋仲になって、家の騒動でイギリスにいられなくなった美愛さんを連れて帰って来た。
弥生さんも誠さんとは別に彼氏がいた。
お互い了承済みのことで、美愛さんと弥生さんは友達だし、誠さんと弥生さんの彼氏も友人だった。
誠さんは美愛さんと婚姻の手続きをしていたんだけど、かなり強引に連れて来たから、色々と手間取っていたんだ。
その間に俺は生まれた。その後に弥生さんも身ごもって、それをきっかけに、誠さんと弥生さんは許嫁を解消しようとした。
んだけど、架が生まれる前に、弥生さんの彼氏が突然の病気で亡くなってしまったんだ」
「………」