好きになった人は吸血鬼でした。ーさくらの血契1ー【完】


真紅の言葉を願いと受け取って、真紅がかけてきた将来の言葉を約束にしたくて、血に抗おうと思っていた矢先にこのこと。
 

自分がこのまま果てれば、真紅は自分を責めてしまうだろう。
 

そんなこと、全然ないんだ。


ただ、自分が勝手に、真紅に生きてほしいと思ったから。
 

いずれはこうなることは覚悟していた。


でも、少しでも真紅と一緒にいたくて、いえをすてた。


あんな偶発的なであいではなく、自分のいしで、また逢いたかった。


だからもうすこし、だけ……ここ、に、


(こんなに、早いんなら、もっと……たくさん、逢いに―――……)
 

意識は、最後まで言葉を繰れずに闇に落ちた。

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