好きになった人は吸血鬼でした。ーさくらの血契1ー【完】
「真紅、危急の事態、気分が回復しないのはすまないが、行くぞ」
「うん……」
黎に、何かあったのだ。切羽詰った様子は、この場にいる全員からわかる。
「天音、無炎、残党がいるかもしれん。総て捕らえておいてくれ」
「承知した」
「承りましたわ」
「無月は無炎たちと一緒に。涙雨、お前は縁のところへ。紅亜様をお護りしてお連れしろ」
「ああ」
『あいわかった』
白桜と黒藤は、それぞれ式に命を出した。