好きになった人は吸血鬼でした。ーさくらの血契1ー【完】
言って、反対の手を真紅の後頭部に廻して引き寄せた。
唇が重なる。
「⁉」
黎のいきなりな行動に真紅は思いっきり硬直してしまった。
ややして黎が顔を離すまで、真紅はされるがままだった。
「うん。やっぱりこっちだな」
「れ、黎明の! 女性にいきなり何するんだお前は!」
「ヤローにいきなりこんなことする方が問題じゃないか? 御門の主」
そういう問題じゃない! と泡喰っていきり立つ白桜を、進み出た黒藤が抑えた。
「黎。白は純粋なんだ。急に目の前でいちゃつかれても困る。それに――真紅に至っては魂抜けちまってるんじゃないのか?」
硬直が融けない真紅の名前を黎が呼ぶと、すぐに覚醒して、直後に顔を真赤にさせた。
熱さが昨夜の比ではない。沸騰するんじゃないだろうか。
黒藤が呟いた。
「黎の鬼性(きしょう)だけを浄化したか。変わった退鬼の法もあったものだな」