好きになった人は吸血鬼でした。ーさくらの血契1ー【完】



言って、反対の手を真紅の後頭部に廻して引き寄せた。


唇が重なる。


「⁉」
 

黎のいきなりな行動に真紅は思いっきり硬直してしまった。
 

ややして黎が顔を離すまで、真紅はされるがままだった。


「うん。やっぱりこっちだな」


「れ、黎明の! 女性にいきなり何するんだお前は!」


「ヤローにいきなりこんなことする方が問題じゃないか? 御門の主」
 

そういう問題じゃない! と泡喰っていきり立つ白桜を、進み出た黒藤が抑えた。


「黎。白は純粋なんだ。急に目の前でいちゃつかれても困る。それに――真紅に至っては魂抜けちまってるんじゃないのか?」
 

硬直が融けない真紅の名前を黎が呼ぶと、すぐに覚醒して、直後に顔を真赤にさせた。


熱さが昨夜の比ではない。沸騰するんじゃないだろうか。
 

黒藤が呟いた。


「黎の鬼性(きしょう)だけを浄化したか。変わった退鬼の法もあったものだな」


< 407 / 447 >

この作品をシェア

pagetop