好きになった人は吸血鬼でした。ーさくらの血契1ー【完】
黒藤の説明に、古人は「むう」と唸った。
――紅緒が目を開いたところを、黒藤は水鏡で確認している。
特に会話はしていないが、短気な母上のことだ。
周りの制止も聞かず、すぐにでもこちらへ来ようとするだろう。
「黎が真紅嬢の血を得たとは知っていましたが、かような結末を迎えるとは……」
「結末ではない、翁(おきな)」
言い差したのは白桜だった。
「真紅はこれより影小路の人間となる。本人が、こちらへ――陰陽師の世界へ入ると、断言した。
小路が、鬼人であり吸血鬼であった黎明のを受け容れるかも問題になってくるし、過去に倣(なら)い、転生である真紅を当主にと望む者もあろう。結末は、死の先にもない」
言われて、古人は更に難しい顔をした。