好きになった人は吸血鬼でした。ーさくらの血契1ー【完】
「黎を預かっている身としては、まず桜城に話をつけねばなりませんな。
今朝、桜城より黎を勘当(かんどう)――桜城とは縁を切ったと報せがありましたが、その出自は変わりません。
なにゆえ勘当などという話になったかも、詳しい経緯(いきさつ)の説明を待っていたところです」
「黎明のを勘当? 何を慌てたことを……」
「ですが、桜城には、弟である架を正式にとの声が根強い。内部は、黎が就くよりは落ち着きましょう」
古人は、桜城の当主にはいち早く逢わねば、と付け足した。
「黎の処遇は翁にお任せします。桜城家と協議の結果は教えてください。早急の問題とすれば――」
「黒藤―! こんの馬鹿息子―っ!」
「……母上の対処です、翁方も小路の一派として逃れられませんこと、ご覚悟の上」