好きになった人は吸血鬼でした。ーさくらの血契1ー【完】


「母上は、真紅を護る術をかけた反動で眠りにつかれていた。真紅のことは、陰陽師としてはご自身で育てるおつもりだったようだ。

だから、自分の庇護下のように考えているんだろう。その真紅に、目覚めたら恋仲がいるという現状が面白くないだけだ。

紅亜様がお認め下さっているのなら、真紅とのことは心配しなくていい。母のことは気にしなくて――」


「黒藤ぉおおお! 何勝手に許し出してんのよ! 首カッ飛ばすわよ!」


「……気にしないでいい、と言いたいところだが……すまない」


「黒藤にそう謝られても落ち着かない。つまり俺は真紅の父親的位置の人に試されているということでいいのか?」
 

黎の理解に仕方に、真紅は首を傾げた。


白桜も内心唸る。ど、どうなんだろう……。


「わ、私お父さんいないからわからないけど……でも、ママの妹さんなんだから、認めてほしい……」
 

真紅の声は切なげだ。


認めるかガキなんて言われたら、真紅はもう泣いてしまってもいいと思う白桜だ。


< 427 / 447 >

この作品をシェア

pagetop