好きになった人は吸血鬼でした。ーさくらの血契1ー【完】
「姉様、真紅。これからはわたくしが二人を護ります。だから、わたくしと一緒に暮らしましょう」
やっぱりその話にもなるか……。
黎を排他した言いように、白桜から見える真紅の顔は不安そうだ。
紅亜が鷹揚に肯いた。
「……真紅ちゃんの立場上、私もそれがいいとは思うわ。陰陽師や退鬼師として、私に教えられることはないから。――でもね紅緒」
「……なんです、姉様」
「黎くんを敷地内立ち入り禁止、とかにしたら、私と真紅ちゃんは出て行くわ」
「……くっ……」
「「………」」
白桜と黒藤、半眼になる。
姉君、妹のやり口は把握済か……。