好きになった人は吸血鬼でした。ーさくらの血契1ー【完】


「………いな、い……?」
 

その先には誰もいない。


「ま…そだよね……」
 

こんな偶然で都合よく逢えるわけがない。
 

そんな物語の中を生きてはいない。
 

そこに大すきな人がいるなんて。
 

妄想が見せた幻だろう。


(………)
 

どこにいるの。
 

淋しく、そう思う。

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