クールな公爵様のゆゆしき恋情 外伝 ~騎士団長の純愛婚~
「グレーテ姫様、リュシオン様、ご無事なお姿を拝見し、我ら一同心より安堵しております」
「ありがとう、リュシオンと皆のおかげで助かったわ」

 私の言葉に、騎士は再び恐縮したように頭を下げる。その騎士に、今度はリュシオンが声をかけた。

「問題はないか?」
「何点か報告が有りますが、大きな問題は有りません」
「分かった。出発はヘルマン様が戻ってからだ。待つ間に報告を聞く」

 リュシオンが早口で指示を出す。すると騎士達はそれぞれ動き出し、その内のひとりが馬車の扉を開く。

 リュシオンはスタスタと歩き、その開いた扉から馬車に入り、私を椅子に座らせてくれた。

 何も言わないのに扉が閉まる。

 さっきから感じていたけれど、リュシオンを筆頭とした騎士達の連携が凄い。私には言葉少なく感じるリュシオンの指示にも迷うことなく、それぞれの役目を果たしていく。

 日頃の訓練の賜物なの? 

 そんな事を考えていると、「グレーテ」と名前を呼ばれる。
 いつの間にかリュシオンが私の正面の席に座っていて、私をじっと見つめていた。
 いえ、正確には私ではなく私の足元を。

「……報告を受けるんじゃなかったの?」

 さっきの騎士にはそう言っていたと思ったのだけれど。

「その前に確認することがあります」
「確認?」
「足を出してください」
「……え?」

 リュシオンに真顔で言われ、私は固まってしまう。

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