クールな公爵様のゆゆしき恋情 外伝 ~騎士団長の純愛婚~
 その言葉に私は大きく目を見開いた。

「……本当?」

 声を震わす私に、リュシオンが微笑みながら頷いてくれる。

「……良かった」

 泣くなと言われたけれど、耐えられなかった。

 ポロポロと頬に涙が伝わっていく。
 ホッとしたことと、喜びと沢山の感情で胸がいっぱいになってしまったから。

「リュシオン!」

 カサンドラのヒステリックな声がする。

 今はリュシオンによって遮られていて、その表情までは見えないけれど、強い怒りを持っている。

 リュシオンは大丈夫なのだろうか。

 不安な視線を送る私に安心させるように微笑んでから、リュシオンはゆっくりと立ち上がりカサンドラの方を振り返った。
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