クールな公爵様のゆゆしき恋情 外伝 ~騎士団長の純愛婚~
「和解して友好国になれば、交易も出来るようになって、バラークも豊かになるんじゃないのかしら」

「本当ですよ。どうして仲良く出来ないんですかね」

 お兄様とリュシオンが聞いたら「甘い」と呆れられそうな事をホリーと語っている内に時間が経ち、ギシリと音を立てて馬車が止まった。

「休憩時間みたいですね」
「そうね」

 私は大人しく、馬車の扉が開くのを待つ。
 早く外に出たいのだけれど、勝手に出ては駄目だとリュシオンに念を押されているのだ。

 しばらくすると、扉が開き、馬車の中にふわりと風が舞い込んで来た。

「少し急ぎましたが、大丈夫でしたか?」

 扉を開けてくれたリュシオンが、手を差し出しながら言う。

 その手を借りて馬車から降りた私は、解放された気分で頷いた。

「大丈夫よ。あの川岸で休むのでしょう?」

 少し先には穏やかな流れの川が有る。あそこに足を浸したら気持ち良さそうだ。

「そうです。こちらへ」

 リュシオンに連れられて川岸に向かう。
 ずっと馬車の中で座っていたからか、外を歩くとホッとする。頬をなでる風が気持ち良い。


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