クールな公爵様のゆゆしき恋情 外伝 ~騎士団長の純愛婚~
しばらく会話をしていると、お義父様が迷った様子を見せながら言った。
「リュシオンがカイザー家を出た経緯はお聞きですか?」
「カサンドラ様に傷を負わせてしまった事が原因で、アンテスの騎士見習いになったのだと聞いています」
そう応えるとお義父様の顔が曇った。
「……違うのですか?」
私の問いかけに、お義父様は力なく首を振った。
「いえ……その通りです。当時、主家の令嬢を傷つけたとされるリュシオンを、カイザー家の後継とする事は出来ませんでした。リュシオンはまだ独り立ち出来ていない年齢でありながら、厳しい訓練を強いられるアンテス家の騎士見習いになるしかなかったのです」
「お義父様にとっても、不本意な事だったのですね」
お義父様が僅かに頷く。
「ですが息子だけを特別扱いする事は出来ません。遠く離れたところで無事を願う事しか出来ませんでした。だからリュシオンが騎士として認められた時は、本当に嬉しかったのです。更にグレーテ様との婚約の話を聞き、私も妻も感無量です。苦労をした息子もこれで幸せになれるのだと……」
厳粛な雰囲気の武人であるお義父様が、今はただ子供の身を案じる普通の父親に見える。
リュシオンは生家との縁は薄いといっていたけれど、それは違っていた。その事実が私はとても嬉しく感じる。
「お義父様。まだ至らないところも多々ありますが、リュシオンの妻として努力していくつもりです。彼と幸せな家庭を築きます。末永くよろしくお願い致します」
心をこめて頭を下げると、お義父様の表情が明るくなる。けれどその直後恐縮したように深く頭を下げた。
「リュシオンがカイザー家を出た経緯はお聞きですか?」
「カサンドラ様に傷を負わせてしまった事が原因で、アンテスの騎士見習いになったのだと聞いています」
そう応えるとお義父様の顔が曇った。
「……違うのですか?」
私の問いかけに、お義父様は力なく首を振った。
「いえ……その通りです。当時、主家の令嬢を傷つけたとされるリュシオンを、カイザー家の後継とする事は出来ませんでした。リュシオンはまだ独り立ち出来ていない年齢でありながら、厳しい訓練を強いられるアンテス家の騎士見習いになるしかなかったのです」
「お義父様にとっても、不本意な事だったのですね」
お義父様が僅かに頷く。
「ですが息子だけを特別扱いする事は出来ません。遠く離れたところで無事を願う事しか出来ませんでした。だからリュシオンが騎士として認められた時は、本当に嬉しかったのです。更にグレーテ様との婚約の話を聞き、私も妻も感無量です。苦労をした息子もこれで幸せになれるのだと……」
厳粛な雰囲気の武人であるお義父様が、今はただ子供の身を案じる普通の父親に見える。
リュシオンは生家との縁は薄いといっていたけれど、それは違っていた。その事実が私はとても嬉しく感じる。
「お義父様。まだ至らないところも多々ありますが、リュシオンの妻として努力していくつもりです。彼と幸せな家庭を築きます。末永くよろしくお願い致します」
心をこめて頭を下げると、お義父様の表情が明るくなる。けれどその直後恐縮したように深く頭を下げた。