クールな公爵様のゆゆしき恋情 外伝 ~騎士団長の純愛婚~
「申し訳有りませんが、内密に中庭までご足労願えないでしょうか」
ヘルマンの申し出に、私は眉をひそめた。
家族でも婚約者でもない異性と、人気の無いところでふたりきりになるのは良く無い事だ。
誰かに見られて不名誉な噂を流される心配があるし、場合によっては不貞を疑われてしまう事もある。
こんな不用意な誘いに乗るのは、貞操観念の緩い令嬢くらいだ。ヘルマンだってそれくらい分かっているはずだけれど。
私の表情を見たヘルマンは、慌てて弁解するように言った。
「あの、申し訳ありません。決して邪なことを考えている訳ではないのです。ただ、他人に聞かれる訳にはいかない話なのです」
「……どういう事?」
「それはここでは……あの、私とふたりきりと言う訳ではなく、サウル王子もいます」
「サウル王子が?」
「はい。どうしてもグレーテ様に伝えたい事があると。王子は既に中庭でお待ちです」
つまり用が有るのは、ヘルマンと言うよりサウル王子と言う事なの?
王子からの秘密の話……いったいどんな内容なのだろう。
予想はつかないけれど、ヘルマンはともかく、王子を無視する事は出来ない。
「分かったわ、伺います」
ソファーからゆっくり腰を上げ、部屋の端で控えていたホリーに目配せする。
直ぐに近付いて来たホリーに簡単に事情を話し、念の為、少し距離を置いたところで待機してくれるように頼む。
それから、ヘルマンに案内され中庭へ向かった。
ヘルマンの申し出に、私は眉をひそめた。
家族でも婚約者でもない異性と、人気の無いところでふたりきりになるのは良く無い事だ。
誰かに見られて不名誉な噂を流される心配があるし、場合によっては不貞を疑われてしまう事もある。
こんな不用意な誘いに乗るのは、貞操観念の緩い令嬢くらいだ。ヘルマンだってそれくらい分かっているはずだけれど。
私の表情を見たヘルマンは、慌てて弁解するように言った。
「あの、申し訳ありません。決して邪なことを考えている訳ではないのです。ただ、他人に聞かれる訳にはいかない話なのです」
「……どういう事?」
「それはここでは……あの、私とふたりきりと言う訳ではなく、サウル王子もいます」
「サウル王子が?」
「はい。どうしてもグレーテ様に伝えたい事があると。王子は既に中庭でお待ちです」
つまり用が有るのは、ヘルマンと言うよりサウル王子と言う事なの?
王子からの秘密の話……いったいどんな内容なのだろう。
予想はつかないけれど、ヘルマンはともかく、王子を無視する事は出来ない。
「分かったわ、伺います」
ソファーからゆっくり腰を上げ、部屋の端で控えていたホリーに目配せする。
直ぐに近付いて来たホリーに簡単に事情を話し、念の為、少し距離を置いたところで待機してくれるように頼む。
それから、ヘルマンに案内され中庭へ向かった。