クールな公爵様のゆゆしき恋情 外伝 ~騎士団長の純愛婚~
ヘルマンに案内されたのは、昨日カサンドラと出会った東屋だった。
月が雲に隠れている為視界は悪いけれど、人がひとり座っているのがぼんやりと見える。
人払いされているのか、他に人の気配は無い。
ヘルマンに促され東屋に近付くと、漸くサウル王子の姿を認められた。
椅子の近くには小さな灯りが灯してあるけれど、日の落ちた時間にゆっくりする場所ではない。
こんな所に呼び出してまでする話は、良い事ではない気がする。
「サウル王子、重要な話があると伺い参りました。どのような御用件でしょうか」
簡単な挨拶をしてから椅子に座り早速切り出すと、サウル王子は恐縮した様子を見せた。
「グレーテ姫、申し訳ありません。このような場所に女性を呼び出すのは憚られたのですが、急ぎご相談したい事があります」
「相談……私にですか?」
「ええ、本来はレオンハルト殿にお話させて頂こうと考えていたのですが」
なる程。予定変更でお兄様が来れなくなったから、名代の私に相談したいと言う事か。
だとすると私には荷が重い気がする。
まだ具体的な話は聞いていないけれど、アンテス領の政治的な事に関する私の権限は全くと言っていい程無いのだから。
「申し訳ありませんが、お話を伺っても内容によっては父と兄に報告する事くらいしか出来ないかもしれません。それでもよろしいでしょうか?」
期待をさせないように予め釘を打つと、ヘルマンはあからさまにがっかりとした表情を浮かべた。
けれどサウル王子は予想していたようで、「それで結構です」と頷いた。
月が雲に隠れている為視界は悪いけれど、人がひとり座っているのがぼんやりと見える。
人払いされているのか、他に人の気配は無い。
ヘルマンに促され東屋に近付くと、漸くサウル王子の姿を認められた。
椅子の近くには小さな灯りが灯してあるけれど、日の落ちた時間にゆっくりする場所ではない。
こんな所に呼び出してまでする話は、良い事ではない気がする。
「サウル王子、重要な話があると伺い参りました。どのような御用件でしょうか」
簡単な挨拶をしてから椅子に座り早速切り出すと、サウル王子は恐縮した様子を見せた。
「グレーテ姫、申し訳ありません。このような場所に女性を呼び出すのは憚られたのですが、急ぎご相談したい事があります」
「相談……私にですか?」
「ええ、本来はレオンハルト殿にお話させて頂こうと考えていたのですが」
なる程。予定変更でお兄様が来れなくなったから、名代の私に相談したいと言う事か。
だとすると私には荷が重い気がする。
まだ具体的な話は聞いていないけれど、アンテス領の政治的な事に関する私の権限は全くと言っていい程無いのだから。
「申し訳ありませんが、お話を伺っても内容によっては父と兄に報告する事くらいしか出来ないかもしれません。それでもよろしいでしょうか?」
期待をさせないように予め釘を打つと、ヘルマンはあからさまにがっかりとした表情を浮かべた。
けれどサウル王子は予想していたようで、「それで結構です」と頷いた。