クールな公爵様のゆゆしき恋情 外伝 ~騎士団長の純愛婚~
「それで、どの様なことでしょうか?」

 サウル王子に改めて伺うと、なぜかヘルマンが返事をして来た。

「はい。あの、話というのはバラーク国の件なんです」
「バラークの?」

 私はヘルマンに対して思わず眉をひそめ、それからサウル王子に視線を向けた。

「シハレフとバラークの間に何かが起きたのでしょうか?」

 サウル王子は落ち着いた様子で頷いた。

「はい。シハレフとバラークは長く国交が有りませんでしたが、先日バラークから接触が有ったのです」

 サウル王子の発言に私は小さく息を飲んだ。話の内容は想像以上に重大な事柄だ。

「詳細はヘルマンから伝えさせて頂きます。彼には少し前から相談をしていたのです」
「そうですか……」

 だからサウル王子はバラークとの緊張が高まる今、わざわざアンテスに遊行に来たのか。

 ヘルマンはサウル王子の相談に応えて、お父様とお兄様にベルツ家訪問を願ったのだろう。
 実際来たのは私で大分予定が狂ってしまったのだろうけど。

「ではお話させて頂きます。あまり長い間席を外していると不審に思われますので、概要になります」

 ヘルマンの言葉に私はしっかりと頷く。

「分かったわ」
「二月程前の事になりますが、バラークからシハレフに同盟の打診が有ったそうです」

 それはアンテス領に攻め込む為の準備なのだろうか。詳細を聞きたかったけれど、とりあえず今はヘルマンの話の続きを聞く事にする。

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