捨てられた町
カエルは昨日とは違う果実の種を持ち、僕らは【本の駄菓子屋】を目指して歩き始めた。


こうして歩いていると少し落ち着いて来たのか、ウサギは僕の方を気にし始めていた。


「あ、あの。突然押しかけてしまいまして、申し訳ございませんでした」


ウサギは僕の隣を人間のように歩きながら、そう言って来たのだ。


「うん。ビックリしたけど大丈夫だよ。あのさ、君の名前とか、聞いても平気?」


「もちろんです! 私の名前はミミと言います」
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