捨てられた町
ミミはそう言い、また頭を下げた。


「それは持ち主につけてもらった名前か?」


カエルが聞くと、ミミは誇らしげに胸を張り「そうです」と、頷いた。


いかにも女の子がつけそうな名前だな。


「ミミの持ち主は誰だったの?」


僕がそう聞くと、ミミは目を輝かせた。


「私の持ち主はとっても可愛い女の子です。色白で大きな目をして鼻筋が通っていて、それこそお人形さんのような子」


ぬいぐるみにお人形さんと思われていたなんて、持ち主はどんな気持ちになるんだろうな。
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