捨てられた町
「そんなの関係ないわ」


傘はまだネックレスに頬ずりをしている。


ネックレスは泣き出しそうな顔をしている。


傘の一方的な片想いである事に間違いはなさそうだ。


人間の世界でいうストーカーというレベルまで到達しているかもしれない。


「とにかく、一旦家に入らないか? カエルは泥まみれだし、ネックレスは混乱してるみたいだし」


僕がそう言うと、傘は渋々と言った様子で頷いたのだった。
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