捨てられた町
「そうです。真琴ちゃんのお母さんは、小学校3年生になった真琴ちゃんに私を譲りました。

真琴ちゃんは大喜びをして、私をとても大切に扱ってくれていました。だけど小学校6年生になったある日、お母さんは突然帰ってこなくなってしまったんです。


真琴ちゃんはお母さんを探しに町中を歩き回りました。だけど見つからなくて、ヘトヘトになって帰って来た家の中には、消沈しきったお父さんがいたんです。


『真琴、今日からお父さんと2人暮らしだ』無精ひげを生やしてやつれた父親にそう言われ、真琴ちゃんは自分が捨てられてしまった事に気が付いたんです」


僕は両膝を抱えてネックレスの話に耳を傾けていた。


真琴は愛菜と並ぶほど可愛い女の子で、クラス内でも明るいグループの中にいる女の子だ。


スポーツも勉強も得意で、母親がいないなんて思えないくらい明るい子。
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