捨てられた町
恐怖で体中が震え、声まで消えて行く。


殺される。


夢なら早く覚めてくれ!!


ギュッと目を閉じてそう願う。


だけど夢は冷めない。


この苦しさも消えない。


冷たい蛇の皮膚が僕の体温をどんどん奪っていく。


もう、ダメだ……。


そう思い、全身の力が抜けていく。


それを見計らっていたかのように蛇は更にきつく僕の体を締め付けて来た。


呼吸が止まり、目の前が真っ白になって行く……。


「ルキ!!」
< 50 / 322 >

この作品をシェア

pagetop