Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[前編]完
「…大丈夫か?」
地面に尻もちをついていたあたしに、福嶋くんが手を差し延べる。
おじさんはあのあと怒りをあらわにして『誤解だ! 不愉快だ!』と叫ぶと、かなり荒っぽい運転で慌てて駐車場から飛び出していった。
『誤解されるようなこと始めからすんなっつーの』と、おじさんの車が遠ざかるのを見届けながら福嶋くんはつぶやいていた。
「…立てるか?」
福嶋くんが差し延べた手も握らない、自力で立ち上がれないあたしのそばにしゃがみ込む福嶋くん。
「…怖かったろ? もう大丈夫だからな?」
優しい言葉に張り詰めていた糸が切れたように涙がぽろぽろと溢れてくる。
「…ふっ…ふぇ…(ノд<。)゜。」
「あーもう泣くな。もう大丈夫だから。もう怖くないから」
福嶋くんが優しく宥めてくれる。
不思議…
第一印象はものすごく怖かったし近寄りがたかったのに、いまは声のトーンも態度もびっくりするほど優しい。
さっきの身なりがきちんとしたおじさんと、近寄りがたい派手な身なりをした福嶋くん。
もし2人を並べてどちらのほうが信頼できるかって聞かれたら、迷わずおじさんのほうを選ぶと思うのに。
今回のことで人は見かけによらないってことを痛感した。