Distance
挙動不審な私の腕を、追い掛けてきた村越さんが後ろから掴んだ。


「どうしたの?いきなり走り出すから、びっくりしたよ…」


村越さんはぜーぜーしながら言った。
私も立ち止まり、切れ切れになった息をなんとか落ち着かせる。


「ご、ごめんなさい……、なんか、急に怖くなって…」


同僚で、婚約者。
凄く目が怖かった。突き刺すような視線だった。まるで親の仇みたいに、私を悪者みたいに見てた。


「じゃあ、ボートは諦めて川の方に行ってみようか」
「はい…」


再び手を繋いで、私たちは人工の川が流れているエリアに向かった。
小さいお子さんが遊べる遊具があるキッズコーナーが近くにあるから、周りの年齢層はぐんと低くなった。


「うわー!すごい、綺麗だね」


川底が、きらきら輝いていた。

しゃがんで見ると、砂に混じって、ラメのようなものが細かく光っている。それが川の流れに沿ってライトアップされ、全体が光っているように見える。言わずもがな、天の川を模している。
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