Distance
「なほちゃん、そろそろレストランでなにか食べない?8時からプロジェクションマッピングが始まるから、その前に食事済ませちゃおうよ」
「うん」


結局、短冊は白紙のままバッグに仕舞った。
何軒かあるレストランの中で、こないだ食べ損ねたからイタリアンにしよう、ってことになった。
どうやら気が早い人はもう、プロジェクションマッピングの席取りをしてるようで、お陰でレストランは空いていた。


「こちらのお席でよろしいですか?」
「はい」


店員さんに案内されて、私たちは窓際の二人掛けの席に座った。
メニューを見ていると、後ろの席にお客さんが来た。一人の女性で、ちょうど村越さんと背中合わせの位置に座った。


「どうしよっかな~、ピザもいいし、パスタも捨てがたいな」


さっきから、メニューに釘付けになっている村越さんは、水をがぶがぶ飲んで言った。


「じゃあ、私がピザを頼むから村越さん、パスタにしたらどうですか?私全部は食べれないと思うし、村越さん一緒に食べましょう」
「いいね!その作戦、乗った!」


よっぽど嬉かったのか、村越さんは元気良く言った。
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