Distance
「ほんと、なほちゃんとは気が合うというか、こういうとこ凄く気に入ってて…。やれ食べ過ぎだの、メタボだの横からやいやい言わないし」


メニューを両手でしっかり持って、村越さんは声を震わせた。


「僕、こないだのことでなほちゃんに避けられてるんじゃないかって、心配だったんだ。だから今日、もしかしたら来てくれないかと思って」
「え、そんな…」
「けどなほちゃんは、いつも通り接してくれるから、安心した。」
「あ、はあ…」


メニューをテーブルに置いた村越さんは、なにかを決意するように一度ぎゅっと唇を結び、強い眼差しで私を見つめた。


「なほちゃん。今夜、僕と二人で過ごさない?朝まで」


遠くで滲んで見える天の川をぼんやり眺めていた私は、村越さんの台詞を頭の中で反芻させる。

今夜?え、朝まで?
…一緒に、過ごす?


「え、えっと。あの、私………」


困惑してる間に、手を握られていた。ぎゅっと、強く。


「あの…お泊まりとか、そういうのは……ごめんなさい。村越さんのことを、もっとよく知ってから、でもいいでしょうか」


というのは半分は本当だけど、もう半分は、言い訳だ。
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