Distance
☆
朝の匂いで目が覚めた。
焦げたトースト、淹れたてのコーヒー。
雨の音が聞こえる。
三日月荘で一人暮らしを始めてから、匂いにつられて起きるなんてあり得ないことだった。
枕元に手を伸ばす。サンタを探すけど、ふかふかの感触には有り付けない。
あれ、私…
…ここ、どこだっけ…?
まだ半分は夢の中に意識がある状態で、
頑張って考えた。
コズミックランドの七夕イベントに行って、村越さんの奥さんが来て。生まれて初めて修羅場を経験して、寿士が助けてくれて。それから帰るってなって、川に鍵を落として、それで…。
『俺ん家に、来れば?』
それじゃ、やってること村越さんと一緒じゃん…。
そう思った次の瞬間、私はその場から走り出していた。
「__なほ、起きてるのかい?」
遠くから声が聞こえて、私は重い目蓋を押し上げた。
半身を起こし、開いたドアの方を見ると、おばあちゃんがひょっこりと顔を覗かせている。
…そうだ。
私、昨日コズミックランドから真っ直ぐ実家に帰って来たんだ。
「熱はどうだい?」
「うん…大丈夫」
私はベッドの上に座り、自分のおでこに手のひらを当てた。頭と、手首がズキズキする。
「風邪薬、ダイニングテーブルの上に出しといたからちゃんと飲みなさいって。お母さんからの言付け」
「うん、分かった」
朝の匂いで目が覚めた。
焦げたトースト、淹れたてのコーヒー。
雨の音が聞こえる。
三日月荘で一人暮らしを始めてから、匂いにつられて起きるなんてあり得ないことだった。
枕元に手を伸ばす。サンタを探すけど、ふかふかの感触には有り付けない。
あれ、私…
…ここ、どこだっけ…?
まだ半分は夢の中に意識がある状態で、
頑張って考えた。
コズミックランドの七夕イベントに行って、村越さんの奥さんが来て。生まれて初めて修羅場を経験して、寿士が助けてくれて。それから帰るってなって、川に鍵を落として、それで…。
『俺ん家に、来れば?』
それじゃ、やってること村越さんと一緒じゃん…。
そう思った次の瞬間、私はその場から走り出していた。
「__なほ、起きてるのかい?」
遠くから声が聞こえて、私は重い目蓋を押し上げた。
半身を起こし、開いたドアの方を見ると、おばあちゃんがひょっこりと顔を覗かせている。
…そうだ。
私、昨日コズミックランドから真っ直ぐ実家に帰って来たんだ。
「熱はどうだい?」
「うん…大丈夫」
私はベッドの上に座り、自分のおでこに手のひらを当てた。頭と、手首がズキズキする。
「風邪薬、ダイニングテーブルの上に出しといたからちゃんと飲みなさいって。お母さんからの言付け」
「うん、分かった」