マリッジブルーの恋人たち
 アットホームな披露宴でみんなやりたい放題。

 自分の周りには女性が群がっているが、話されるのは玲奈とのことだ。

『麻生さんの気持ちは本当に武藤さんにしか向いてないのが、よくわかった。』
『麻生くんのこと本気だったんだけど、奥さんには敵わないって、ちゃんとわかった。』

 囲まれて、俺はそんなことを言われた。

 だが一方、玲奈の方は俺とは違うようで

『なぁ、俺、麻生よりいいと思うよ?』
と、会社で俺と人気を二分するイケメンに口説かれ、

『麻生と内緒で、夜逢おうよ!』
と、"不倫は文化"とコメントした某著名人に感化された男にそう求められている

 玲奈が会社の男性陣に囲まれているのが嫌で堪らないため、俺は玲奈を引き寄せて肩を抱き寄せながら牽制する。

「お前ら人の嫁に言い寄るなよ!玲奈じゃ満足出来ないとか散々話してたじゃないか。残念だが、玲奈は俺のものだし。」

 表面上ニコリと笑いながらも、玲奈を引き寄せた手に力を込めた。

 その後、静華(主に)と高校時代の友人が作成したサプライズDVDのおかげで、俺の機嫌の悪さは最高潮に達した。

「なっ!?なんだこれ!!」

 写し出された映像に開いた口が塞がらない。

 

 

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