必然的な運命
何ともよくわからない独り言をぶつぶつ、と。

「仕事の飲み会でヘマしなかったのは柴田課長のおかげだ」

絶対、俺から聞いたなんて言うなよ?と、フリかどうかわからない言い訳をしながら話してくれた。


確かに、今思い返せば思いた当たる節がある。

先輩上司にしつこく飲まされそうになれば、必ずといっていいほど柴田課長が止めてくれていた。

その時は課長の立場までなると私のような新人にまで気がきくんだな、なんて思っていたけれど。

「あからさまにお前ひいきしていた訳ではないだろうが、頭の片隅に入ってたんだろうな」

「そう、なんだ…… 」
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