必然的な運命

___山崎さんが亡くなる1ヶ月程前。

「……っ、正気ですか?」

上司の山崎さんを実家の病院に連れて行った。

検査結果が出て病状の説明を受けたばかりなのに、この人はあっけらかんとしている。

「うん。そうだよ〜 」

まるで何事もなかったかのように、職場に戻ろうとしている。

「ちょっと待って下さい!山崎さん 何で手術しないんですか?」

「……ねぇ 須田くん。ちょっとドライブでもしようか?」

ね?と微笑み、そのまま病院を出て車に乗り込んで彼の運転で発進させた。
< 233 / 264 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop