必然的な運命
俺はずっと無言のままだったが、フッと軽く笑って山崎さんが口を開いた。

「僕はね、研究オタクなんだ。須田くんも知ってるでしょ?」

運転する山崎さんの横顔をチラッと見ながらも彼の発した言葉に頷いた。

「今している研究はどうしてもやり遂げたい研究なんだ。……バカだよね〜 自分でもそう思ってる」

「なら、尚更!ちゃんと手術して入院して、また研究すればいいじゃないですか!」

柄にもなく上司に対して強い口調になってしまう自分がいた。

山崎さんはハハッと少し苦笑いしながらもまた話し始めた。
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