必然的な運命
「もうすぐ新入社員として入ってくる。だから見守る程度で構わないんだ。何かあった時に手助けをしてほしい」

話す節々に職場では見せない表情で心配そうに話す山崎さん。

「なんせ身寄りがないからさ? こんな無礼なお願いで申し訳ないんだけど……

息を飲むと同時に俺の口が勝手に動いた。

「山崎さん。娘さんを僕に下さい」

___自分でもびっくりした。

思わず出た言葉は勢いとかその場のノリとかではなく、そうしたいと切実に思った。

俺が大事にしたい、と。

同情かと問われればそれも一つの答えだろう。
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