御曹司と溺愛付き!?ハラハラ同居
それでも必死に向き合っていると、スッとコーヒーが差し出されハッとする。


「すみません。私が気がつくべきでした」


それを差し出したのが一木さんだったので、慌ててしまった。


「いや、俺は休憩だ。それ、明日でもいいぞ。もう上がれ」

「いえ、あと三枚なので」


私が言うと、彼は確認が終わったレポートを手に取りパラパラとめくる。


「まったく、佐橋はいつまでたっても誤字が減らない」


そのレポートの中には佐橋さんが作成したものも含まれている。
数字の確認だけ頼まれたものの、やはり誤変換は気になり、すべて赤字でチェックした。


「でも、書き方はうまくなってきた」


こんなに忙しいのに、佐橋さんのこともきちんと気にかけているんだ。


「それじゃあ、その三枚が終わったら帰れ」

「はい、ありがとうございます」

「今日は和食が食いたい。朝、うまかったしな」


そして私にだけ聞こえるような小声でそう付け足すので、ドギマギしながら小さくうなずいた。
まるで、秘密の同棲をしているかのようだ。
< 108 / 344 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop