御曹司と溺愛付き!?ハラハラ同居
でも、なんとなく彼の言いたいことは伝わってきた。

彼は今まで仕事以外の人間関係に重きを置くことはなかったのだろう。
だから彼女にのめりこむこともなく、会話を楽しみながら食事をとることもなく、誰かに心配されたり、逆にしたりということもなかったのかもしれない。


「そう、ですよ。仕事の成功は大切かもしれません。でも、生活が楽しくなければ、仕事の成功だけあっても幸せじゃないと思います」


また偉そうなことを言ってしまった。


仕事がなかった身としては、お給料がきちんと入ってくることがどれだけ心の安定をもたらすのかを知っているつもりだ。
とはいえ、生活を豊かにするために働いているのであって、その逆は成り立たないと思う。


「お前はやっぱり面白い」


彼はまだ少し濡れている私の髪を梳きだした。
その手つきがあまりに優しくて、心が穏やかになっていく。
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